スピーカは箱に入れないといけないのか

スピーカの多くは、紙もしくはそれよりより特性の良い物質を使ってその根元にコイルを巻いておいて、それにアンプで駆動する。そうするとコーン紙が前後に移動することで、空気を振動させて音が出る。前に動いたあとは後ろに下がる。なので、スピーカ単体を空気中に置くと、裏側の音が表のがわの音と打ち消しあうようになって、小さな音しか聞こえてこない。
 では、スピーカの直径の5倍くらいの板の中央付近にスピーカを取り付けた場合はどうなるか。表側の音に対して、裏側からはその板の距離分だけ遅れて表の音が回ってきて、表側と合成された音が聞こえる。
 無限大の大きさの板にスピーカを取り付けておけば、それは、表からの音しか聞こえない、なので、箱にスピーカを入れてしまえば、それを有限の大きさで実現できる。
 表と裏の音は180°ずれている。裏側の音は音速によって、表側に合成される分が決まってくる。つまり、100Hzの音であれば、340m/100で1秒間に3.4m進みます。
 直径60cmの円形の板に中央に38cmのスピーカを取り付けます。60cm半分30cm分だけ、裏側の音は、遠回りしてきます。
 340/0.3では、1133Hzの音が180°の逆相で合成されます。つまり、1133Hzは消えてしまうわけです。
 では、1133Hzを移相フィルタでいくばくかずらせば、消えてしまうことはなくなるのでしょうか?
 というか、周波数は連続していますから、60cmの板というのが固定されたものですが、周波数によって合成される位相は連続的に異なりますから、それに合わせて、移相量も変化させなくてはなりません。
 DSPだと実現できそう? DSPではなくパソコンでもできそう。