量子化された波形

CDからの読み出しでは、リッピングソフトを使えば、正しいデジタルデータが読み出せる。記録したデジタルデータを正しく読み出せるように、半分近くのデータが、エラー訂正のためのデータであったりする。
だから、それをD-Aコンバータを通せば、16ビットのうちほとんどが正しく再現できる。最終的には、フィルタで量子化されたでこぼこのデータは、きれいな元のデータに理論的に戻る。
 そういうための努力を各社がやってきたのだが、実は、量子化されたデータには、もうひとつパラメータがある。それは、時間軸方向の精度だ。
 CDのライン出力が2Vであれば、16ビットデータは、1ビット当たりXXXV,24ビットデータであれば、たったXXXVである。それと同様に、時間軸方向の1パルスの幅は、XXXsecになる。この幅が変われば元の音にはならない。
つまり、この時間軸方向の精度が十分にとれていないので、音が変わるということが起こっている。音楽雑誌などには、ジッタが問題だといわれる部分。
で、一時期、高級CDプレーヤより、iPodのほうが音が良いと言われたことがある。
 ジッタで音質が変わるとすれば、簡単に説明ができる。極端だけど。つまり、iPodはジッタ問題は発生しない。自分がクロックを管理しているから。CDプレーヤは、それができない。プロ用機器では、伝送経路上の遅延やクロックの波形のひずみが起こるのが前提だから、複数の装置が同じクロックを共用できるように外部クロック端子がある。民生機器ではそれがない。したがって、微妙に時間軸に対しては正確でないし、ずれが生じる。だから、安定な発振、正確な水晶発振が求められるが、それは本質的でなかったりする。伝送されたデータからクロックを再生するためのPLL回路の出来不出来が原因となっているのであれば、クロックは安定に再生されない。
 人に聞いた話だけど。