末期 そして

すでに日本ではトランジスタが使われていたブラウン管テレビの時代、アメリカではコストダウンを図るために、真空管の数を減らすために、三つのユニットが一つになったコンパクトロン管なるものが作られていた。下手をすると、データーシートが存在しない球もある。
逆に、特性も極めつけが作られ、オーディオ用では8417がドライブしやすく、直線性の良い球として市場に出たが、それほど注目を浴びなかったらしい。
つまり、そういうテレビ球は、あっという間に採用されずに、デッドストックとなってしまった。
同様に、トランジスタも、ローノイズ、高耐圧、ロー入力容量とかいう3000番台のテレビ用のが、市場に安く出回っている。直線性も、すごくいいように思う。
50年前のアンプは、普通にディスクリートで作られていたが、トランジスタ自体、それほど耐圧もなく、直線性もよくなかった。
ということで、ディスクリートのアンプを作ってみるのは、楽しいのではないかと思ったが、問題は、設計の素養がないことである。自慢するところではないが、ディスクリートアンプは奥が深いらしい。でも、1石か2石であれば、1年かければ、なんとかなるのではないかと夢想するのだった。
もちろん、オペアンプのほうが、百倍も直線性は良いし、使いやすい。でも、あまのじゃくなので、使わないことにする。
最初にすることは、SPICEを使うことである。これも難関の一つだ。